湊屋について
こだわりの食材
粒餡に使われる小豆は、粒ぞろいの北海道産を使用しており、ムラ無く炊き上げております。しかし、それをあえて潰し気味にすることでできる独特の食感が、湊屋ならではの味です。春には、農家さんから直接頂いた朝採れいちごを使った苺大福を販売しております。秋の味覚では、熊本県産の栗を軟らかく炊き上げ、丸ごと一粒を使った栗饅頭もございます。香川の特産品である和三盆や、近年注目されている希少糖、お雑煮で使われる白みそなど全国の厳選した食材だけではなく地元の食材もふんだんに使い、四季を感じながら、「おいしいものを、よりおいしく」そういった意識でお菓子作りをしております。
変わらないもの、変わるもの
1953年(昭和28年)、初代がシベリア抑留から引き上げた時に現在の場所に店を開きました。当時から販売している栗林公園にちなんだ銘菓「栗林のくり」は、現在も変わらぬ姿と味で、香川県内の駅や空港や百貨店で販売しております。現在は、洋菓子風のケーキやパイ生地で栗一粒とあんこを包んだ和洋折衷のお菓子、香川県産の白みそを使ったぼうろ、渋皮付きの栗を和三盆でまぶした栗納豆など、様々な種類の和菓子や、他では見られない様な商品の開発・販売をしております。
人から人への贈り物
人は贈り物をする時、感謝や、お詫びや、お見舞いなど、色々な気持ちを一緒に送っているでしょう。私どもは、その気持ちを損なわず、貰った人が笑顔になるようなお菓子作りに励んでおります。職人が一つ一つ作ったお饅頭を、販売員が一つ一つ丁寧に包装する。人の手から人の手へ、伝わる気持ちのお手伝いをこれからも続けてまいります。
栗林公園と「栗林のくり」
江戸の昔、高松藩主のお庭であった栗林公園はその名のごとく栗の木がたくさんありました。その後十代藩主頼胤が嘉永三年(一八五〇)鴨狩りの邪魔になるとの理由でこれを伐採し、わずか三本残したということです。その後、庭園整備が行われ、昭和二十八年に「特別名勝」に指定され、水戸の偕楽園、金沢の兼六園、岡山の後楽園の三名園にも並ぶ美園となりました。「栗林のくり」は、遠い昔の栗林公園に栗の木がたくさんあったことを皆様に知ってほしいと思いその姿をお菓子に込めました。